

今回担当させていただいたメーカー様は、自社企画のほとんどを韓国などの海外で製造されていました。クレンジング・スキンケア・ボディケア製品を取り扱われており、ベースメイク・ポイントメイク製品については販売実績がありませんでした。そういったこともあり、ご相談の段階では製品コンセプトの絞り込みをされている最中でした。そこで私たちは高い実績のある処方をベースにサンプルを作成し、社内女性スタッフやご友人の方にご利用いただくご提案をさせていただきました。その結果、このサンプルがベンチマークとなり、その処方をベースに製品開発を進めていくことになりました。セルフ流通での販売が決まっていましたので、パフォーマンスの高い製品ができても、プライシングの同意ができなければWin-Winの関係は構築できません。そこで、コストと品質の両立が叶う上海での製造に向けて動き出しました。
私たちが持つ上海工場で使用する製品の原料のほとんどは日本製です。また、バルク調整機から充填機までマザー工場(静岡県掛川市)と同じものを使っています。マザー工場で経験を積んだ責任技術者が日本と全く同じ基準の品質管理をおこなっています。つまり、場所こそ違えど、品質に関しては徹底した日本クオリティを実現できるのです。また、バルクを詰める容器やブラシなど製品本体に関わる部分は日系企業に協力を依頼し、高い品質を確保しました。目は粘膜が薄く、トラブルが起こると重篤になりやすい箇所でもあります。ですから、価格のためだけに品質を落とすべきではありません。その反面、化粧箱や台紙は中国のローカル企業を利用することで、コストダウンも実現させています。発売元様では「中国製」ということに大変不安を抱えていらっしゃいましたので、製品のあるべき姿が具現化してきたタイミングで上海工場にお越しいただきました。百聞は一見にしかずで、実際の現場をご覧いただき、丁寧にご説明を差し上げることで、安心してお任せいただけるようにしました。また、実際の生産期間に入ってもリスク管理は怠りません。出荷可否判定は海を渡る前はもちろん、国内に入ってからもマザー工場にて再度検査を行うようにしています。



OEM製品の難しいところは、判断するのが私たちではなく発売元様ということです。新製品をつくるということは先行投資になりますし、その売り上げが会社の運命を大きく握っているということも少なくありません。私たちはサンプルをご用意したり、リードタイムやコストを可視化し、可能な限りの情報をお伝えすることで、安心・納得・満足していただけるように心掛けています。今回のプロジェクトではご依頼から納品まで10ヶ月近くを要し、「社内の人間と話すより、君と過ごす時間が長い」とおっしゃられるくらい濃密な時間を過ごしました。はじめて製品が国内の倉庫に納品されるときには、「ぜひ一緒に迎えよう」と声を掛けていただきました。届いた製品は何度も何度も確認した通りのものだったのですが、やはり格別の想いがこみ上げてきました。お陰様で製品の売り上げも好調と聞いています。発売元様と同じ方向をみて、ひとつのものを共につくりあげていく喜びをこれからも感じていきたいです。






